占領下の現実
歴史資料集の類には、各地域の王朝の変遷を図示した表がまとめられていることがある。左の図は、オックスフォード大学出版の「A Historical atlas of South Asia」*1の付録にある王朝交代表のうち、日本部分の一部を切り取ったものである。
1945年から1951年*2まで、「点線」である。当たり前と言えば当たり前なのだが、高校の世界史資料集などでは、こうはなってはいなかったであろう。凡例によると、この「点線」は、「独立国ではあるが、政権が『ephemeral』である」ことを表すとのことである。「ephemeral」は普通、「短命な」と訳すが、他との整合性を考えると「はかない」の方のニュアンスであろうか。ヒトラー・ドイツ占領下のフランスの政権と同じ扱いである。